小学生が書いた短説(短い物語)
不吉な桜 西山 義人(小学六年生) 桜の花びらがまた一枚舞い降りた。 ふと、うしろを見るとカップルがわかれた。 そう、この桜の花びらがおちると、カップ ルがわかれる。 不吉な桜である。 だが、この花びらを三枚とると願いがかな う、という伝説がある。 それを使って、あいつと話すきかいを増や そうとした。 次の日、学校に行った。 廊下を走った。 そして六年プレイルームを通りかかった時、 偶然目にしたのは、あいつだった。 耳をすますと、引越しの話だった。 あいつは三日後引越すらしい。 足どりが重くなった。 三日後、あいつを乗せた車と引越しのトラ ックが走り去った。 その時、不吉な桜の花びらが目の前を通っ た。 それは、この初恋の終わりを、示している のだろう。 〔執筆:平成18年(2006)4月1日・東北新幹線上りMAXやまびこ号車中にて(帰宅後補筆完成)/短説一歩手前〕 Copyright (C) 2006 NISHIYAMA YOSHITO. All
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コメント
こんばんは、義人君。読みましたよ。
「小学生短説」。いや~、成長したんですね。
このオジサンとは、一回会っているんですよ。
芦原オジサンのお宅で、君はウルトラマンの
きぐるみ(?)を着て、スペシューム光線を
私にみまってくれました。
私が抱き上げたら、「キック~!」と叫んで
一番の人気者でしたね。3~4歳だったのかな~。
その後オジサンには、孫ができ、その子ももう5歳。
義人君、またあいたいな。私の孫娘にも、会ってください。
短説、期待してますよ。オジサンも頑張って書くからね。
よかったよ、「不吉な桜」。それでは、また。
投稿: 秋葉信雄 | 2006年4月 2日 (日) 18:23
義人君また大人になったようですね!
さて、小川和佑先生の記事が 4月7日(金) 朝日新聞 夕刊 に載るそうです。
すでに街では桜吹雪でピンクの絨毯が敷かれ、さらに小川先生の記事も読める、
楽しいさくら週間になりました・・・・ネ。
また今度、義人君がどんな短説を書くようになるかと・・・
楽しみに待っていますョ~!!
投稿: Youzo | 2006年4月 4日 (火) 02:13