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2007年2月 1日 (木)

一月の読書録

 今年は正月からしごくオーソドックスな読書をしたので、記録しておく。もちろん文学的にオーソドックスというのであり、実用書の類は除く。
  
(1)『森鷗外全集4/雁・阿部一族』(ちくま文庫)平成7年9月筑摩書房刊(初版)
〔収録作品:雁・ながし・鎚一下・天寵・二人の友・余興・興津弥五右衛門の遺書・阿部一族・佐橋甚五郎・護持院原の敵討〕
 
(2)『森鷗外全集5/山椒大夫・高瀬舟』(ちくま文庫)平成7年10月筑摩書房刊(初版)
〔収録作品:大塩平八郎・堺事件・安井夫人・山椒大夫・魚玄機・じいさんばあさん・最後の一句・高瀬舟・寒山拾得・玉篋両浦嶼・日蓮聖人辻説法・仮面〕
 
(3)『川端康成集/片腕(ちくま文庫・文豪怪談傑作選』平成18年6月筑摩書房刊(初版)
〔収録作品:片腕・ちよ・処女作の祟り・怪談集1-女・怪談集2-恐しい愛・怪談集3-歴史・心中・竜宮の乙姫・霊柩車・屋上の金魚・顕微鏡怪談・卵・不死・白馬・白い満月・花ある写真・抒情歌・慰霊歌・無言・
弓浦市・地獄・故郷・岩に菊・離合・薔薇の幽霊・蚕女・Oasis of Death(ロオド・ダンセニイ原著)・古賀春江・時代の祝福〕
 
(4)『セックスの哀しみ』バリー・ユアグロー/柴田元幸訳・平成12年2月新潮社刊(第二刷)
(これは昨年から時々数編ずつ読んでいたもの)
 
(5)『なぎの葉考』野口富士男・昭和55年9月文藝春秋刊(なんと注文用の短冊まで挟まったままの初版本)
〔収録作品:なぎの葉考・新芽ひかげ・石の墓・老妓供養・石蹴り・耳のなかの風の音〕
 
(6)『塵の中』和田芳恵・昭和38年12月光風社刊(39年2月の再版)
〔収録作品:道祖神幕・暗い血・強い女・塵の中〕
 
(7) 『我が愛する詩人の伝記」室生犀星(中公文庫)昭和49年4月中央公論社刊(平成2年8刷)
※初出は「婦人公論」昭和33年1~12月号連載
〔収録詩人:北原白秋・高村光太郎・萩原朔太郎・釋迢空・堀辰雄・立原道造・津村信夫・山村暮鳥・百田宗治・千家元麿・島崎藤村〕
 
 (1)(2)(3)の収録作品のほとんどは再読だが、新しい文庫本で読むとまた違った趣があった。また、ほかの四冊は、昼休みにぶらぶら神保町の古本屋街を歩いていて手に入れたものだが、文芸書がずいぶん安くなったのを感じる。文芸書、特に純文学系のものはもともと流通量が少ないので、初版だったり美本だったりすれば、古いものほど価値が出るというのが本来の理屈だが、需要がなければ安くせざるを得ないというのも道理で、なんだか寂しくもある。このほかにも昨年一年間に数冊、二十年前だったらこの値段では買えないだろうという貴重な本を格安で手に入れた。
 野口富士男の「なぎの葉考」は、なぜか五、六年おきに読みたくなり、もう四、五回読み返しているが、単行本で読むのは初めてである。それも初版で、おそらく誰も開いた形跡のない本。それが三冊五百円とは。装幀(装画)が良いのだ。角背・クロス装・パラフィン紙巻き・函入り。二十七年前の定価で千七百円だから、当時としては結構値の張る書物である。こうした装幀で、文芸書が重々しく出ていた最後の方に当たるであろう。

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コメント

島崎藤村とシェイクスピアの深い関係を明らかにいた
しました!藤村にご関心ある人も、シェイクスピア驚き
と楽しみをご発見になることと思われます。知的好奇心
のある方はぜひお出かけ下さい。

投稿: シェイクスピア美術館 | 2007年2月 2日 (金) 09:11

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