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2007年4月

2007年4月28日 (土)

月刊『短説』五月号の校正完了

 しばらくブログを更新していませんでした。自分の作品のところでストップしていたのには恐縮です。
 本日、月刊『短説』五月号の校正をしました。この2月・3月・4月でようやく発行ペースが取り戻せました。来月も大丈夫そうです。
 明日は春季大会が二つ。軟式野球の二回戦と、ソフトボールのリーグ戦の最終試合。女房のチームも別の大会があるので、わが家的には大会三つ。朝六時半から子供たちの指導があり、夜は打ち上げ。スポーツ三昧の、濃厚な日曜日になるでしょう。では、おやすみなさい。

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2007年4月10日 (火)

短説:作品「鉄」(西山正義)

   
 
            
西山 正義
 
「あんた、鉄と結婚すれば」
 と、彼女に言われた。
 たしかに僕は鉄が好きだ。実際、日夜仕事
で鉄を作っている。結婚の話が出ていた。僕
は決して上の空で聞いていたわけではない。
しかし、喫茶店の卓上に置かれていた、スチ
ール製のメニュー・ホルダーを、僕は無意識
のうちに弄んでいたらしい。それがまるで、
女を愛しむような手付きだと言うのだ。
 思えば、幼い頃からプラスチック製の物よ
りブリキのおもちゃを好んだ。少し大きくな
ると、廃線となった鉄道の線路に、頬をくっ
つけては恍惚となっていたものだ。蒸気機関
車に軍艦、鉄塔。なるべく無骨な方がいい。
H鋼が横たわっているだけでも興奮する。
 何よりも、その質感と匂いだ。そして、冷
たさ。僕はしかし、日々熱い鉄に接している。
正確に言えば、どろどろに溶けて真っ赤に焼
けた鉄鉱石なのだが、溶鉱炉の中でコークス
と反応させ、不純物を取り除き、「銑鉄」に
還元する。その後、炭素を除去する工程を経
て「鋼」になる。が、それ以降は、僕の与り
知るところではなく、最終的にどんな製品に
なるかは知らない。しかし、あらゆる鉄製品
のおおもとは、僕が作っているのだ。
「君って、鉄に似ているんだけどな」
 と僕は言った。彼女はすかさず、
「ばか言わないでよ。あたしはあんなに硬く
なし、冷たくもないわ。錆びたりもしないし」
 と口を尖らせた。そういうところが鉄っぽ
くて、可愛いんだけど、と言いたかったが、
僕は別のことを言った。
「ステンレスなんて物もあるけど、鉄を錆び
させない方法があるんだ。知ってる? それ
はね、使い続けることなんだ。線路の鉄だっ
て、車輪が通るところは、錆びないだろ」

〔発表:平成17年(2005)11月通信&ML座会/2006年2月号「短説」/再録:「西向の山」upload:2006.7.5〕
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2007年4月 4日 (水)

日帰りで箱根へ

 おとといの夜中、月刊『短説』四月号の校正を芦原氏に入稿し、翌日つまりきのう、日帰りで箱根に行ってきました。娘は友達と遊びに行くというので、女房殿と息子の三人で。
 春休み中とはいえ平日なら、東名川崎-小田原厚木道路経由で一時間半で行ってしまうのだ。うちから神奈川方面は近いのだが、それにしても箱根がこんなに近かったかとちょっとびっくり。渋滞さえなければすぐなんですよね。
 ETCを初めて使ってみました。いやー、これはやっぱり楽ちん。
Ts2a0408   Ts2a0409
 富士屋ホテルと宮ノ下・熊野神社。近くの宮ノ下町営駐車場が三十分無料、以後も三十分百円。富士屋ホテル前の写真館に、ホテルをバックにジョン・レノンとヨ-コ・オノ、そしてショ-ンと今はおばあさんのおそらく写真館の奥さんが写った記念写真が飾られていました。撮影は1978年。飾り窓越しに携帯のカメラで撮らせていただきましたが、結構よく撮れました。しかしこれは公開はできません。
 いつかここに泊まりたいと思って何年経ったことか。富士屋ホテルに泊まり、宮ノ下交差点斜向かいの旧御用邸・菊華荘でランチを食べてと。
Ts2a0411   Ts2a0415
 昼は強羅で名物の餃子でも食べようかと思ったが停める場所がなく、うろうろしているうちに仙石原へ。星の王子様ミュージアムを見学。その前に、サン=テグジュペリゆかりの地‘プロヴァンス’をイメージしたというレストラン「ル・プチ・プランス」でランチ。
 ここに三時近くまでいて、いざ箱根小涌園ユネッサンへ。ここが今回のメインだったわけですが、八時過ぎまでいても帰宅は十時前。雨と霧で帰りの箱根の山道はスリル満点でしたが、久しぶりに楽しいドライブをしてきました。自宅の車庫に入れた時、トリップメーターはぴったり200.0Kmを指していました。

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2007年4月 1日 (日)

インターネット版『短説百葉集』完成!

 WEB版『短説』編集長の西山です。四月になりました。
 以下の文と一覧は、今度の年鑑特集号の見開き2頁をもらって掲載するのを想定していますので、そのまま使えるよう20字詰めになっています。
 東京は先週の日曜は雨。今日は絶好のお花見日和でしたが、僕はそれどころではなく、ソフトボールの春季大会が開幕。今年からチームを再編し、僕も地域のトップリーグでプレイすることになりました。四月いっぱいリーグ戦が続きますので、しばらく気持ちはそっちに行っちゃうことでしょう。
 本日、月刊『短説』四月号のゲラ刷り落手。これは早急に朱を入れます。以下の件、まずはMLのみなさんとインターネットが見られる方々にご報告いたします。
 
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 インターネット版『短説百葉集』完成!
 
 この度、短説の会・公式サイトに掲載して
いる(つまり、インターネット上に公開され
ている)作品が、芦原修二作品を別枠として、
ちょうど一〇〇作になりました。
 平成一五年の六月、すだとしお同人が短説
『百葉』を編纂しました。公式サイトはその
同じ月に西山が立ち上げたものですが、それ
から三年一〇か月、ここにWEB版『百葉』
が完成したという次第です。
 すだ版は、短説の歴史を俯瞰するという側
面もあり、最初期のものから、単行本時代の
『年鑑』を彩った招待作や、ゲスト参加など
も多く含まれています。
 対してネット版は、現役作家を中心に組ま
れているのが特徴です。もちろん短説の歴史
を踏まえ、すでに短説から離れている作家に
ついても、外せない作家やすだ版未収録でこ
れはと思うものは収録していますが、一作家
一作品に限りました。
 また、翻訳版があるものを優先的に掲載し
ましたので、大井正博氏によりフランス語に
訳された作品は、原作・翻訳ともに網羅され
ています。
 二つの『百葉』に収録された作家は、すだ
版六七名、ネット版七〇名、重複を除き、別
名を一人と数え、合計八五作家にのぼります。
いよいよ「百人一短説」も夢ではなくなって
きました。総収録作品は、重複を除き別枠の
芦原作品を含め一七五作。
 以下、発表年代順にネット版『百葉』の一
覧を掲げます。洩れているからといってがっ
かりしないでください。ここ最近の会員の中
にも注目されるべき作家が何人かいますが、
現時点では収録し得ませんでした。
 しかし、公開形式を見直すため、しばらく
サイト本編での更新はストップしますが、こ
れ以外の過去の秀作や最近会員になられた方
の作品は、引き続きブログ版のほうでアップ
していく予定です。
 なお、芦原作品は八作公開されていますの
で、合計一〇八。すなわち、いわゆる煩悩の
数と言われている数だけあり、「百葉集」と
いうより「短説煩悩集」といったほうがいい
かもしれません。
    (平成一九年四月一日・西山正義)
 
【○=単行本年鑑収載 ◎=月刊誌年鑑特集
号他選集選出 ☆=すだとしお版『百葉』収
録 F=フランス語訳併載 E=英訳併載】
 
 *昭和60年(1985)~昭和63年(1988)
1 症候群      ○☆  五十嵐正人
2 蝶むすび     ○☆   西山正義
3 誕生パーティー  ○  センナヨオコ
4 ポタポタ     ○☆   原  葵
5 something blue ○    河江伊久
6 コーヒーショップ ○    木口正志
 
 *平成元年(1989)~平成3年(1991)
7 トロッコ     ○   すだとしお
8 茂草鉄道     ○☆   向山葉子
9 少年       ○    福田政子
10 ホメオスターシス ○☆   森林敦子
11 柵を越えて    ○☆F  金子 敏
12 楽団       ○    秋葉信雄
 
 *平成4年(1992)~平成6年(1994)
13 迎え火      ○☆ 佐々木美千代
14 銭湯       ○    小林 稔
15 お戒壇めぐり   ○☆ 五十嵐まり子
16 黒曲       ○   美野里亜子
17 真夏の少年         大宮章義
18 秋霖        ☆  喜多村蔦枝
 
 *平成7年(1995)~平成8年(1996)
19 息子            栗原道子
20 ピンク鼻      ☆   錦織利仁
21 連凧            檜垣英行
22 ワッカノナゾトキ山 ☆   米岡元子
23 初めの一歩         館としお
24 八月の空に         村上友子
25 シズコ       ☆   寺山克枝 
 
 *平成9年(1997)
26 風に乗って    F    米岡元子
27 青春            小池ふさ
28 霧           秋野さくらこ
29 自転車の人    ◎☆  相生葉留実
30 三角クジ     ◎☆   糸井幸子
31 水車小屋         日向野フミ
 
 *平成10年(1998)
32 背後霊      ◎☆   岩谷政子
33 女ひとり     ◎☆   桂 千香
34 ミルクココア   ◎☆   小滝英史
35 ツチノエネヤ   ◎    吉田龍星
36 珠子       ◎    有森 望
37 十三分間     ◎    荒井 郁
 
 *平成11年(1999)
38 ニシノソラ    F   すだとしお
39 その女      ◎☆F 園田やよい
40 ヒキガエル    F    田中睦枝
41 ネタ釣り     ◎F   水南 森
42 盆まつり     ◎☆   向山葉子
43 三三九度     ◎    川上進也
44 鳩             福本加代
45 子供のいる家        綾部有時
46 と、作者は書いた。F    西山正義
 
 *平成12年(2000)
47 馬と夢とラッキョウと◎☆E 秋葉信雄
48 涙腺       F    小巻正子
49 傘        ◎☆   石川正子
50 カルガモ          船戸山光
51 握手       ◎    安村兆仙
52 ミミズ      ◎☆   関口十至
53 トカゲ      ◎    田中睦枝
54 トルソ      ◎   すだとしお
55 幸福       F    福本加代
 
 *平成13年(2001)
56 地球儀の夜         道野重信
57 立場       ◎☆   川嶋杏子
58 ホットケーキ   ◎☆F 古川身江子
59 生け花      ◎☆  喜多村蔦枝
60 あんちゃん    ◎F   石川正子
61 座席       ◎☆   大西頌子
62 平成十三年九月十二日、朝  向山葉子
 
 *平成14年(2002)
63 戒め       ◎☆F  新井幸美
64 鯉を釣る少年   ◎☆   道野重信
65 山釣り       ☆   根本洋江
66 道程       ◎☆F  吉田龍星
67 恐竜のタマゴ   ◎☆   小森千穂
 
 *平成15年(2003)
68 二丁目十三番地  F    岩谷政子
69 サンルーム    ◎☆   藤森深紅
70 夜泣き街道    F    道野重信
71 夜明けにララバイ ◎    秋葉信雄
72 かくれんぼ    ◎   古川身江子
73 蝉の羽立ち    ◎    水南 森
74 船        ◎F   見崎 漣
75 手打ちそば    F    木村郁男
76 利根川           伊藤 朗
 
 *平成16年(2004)
77 墓誌            太秦映子
78 鏡             宮 禮子
79 夢の中で         小野寺信子
80 視線       ◎   星子雄一郎 
81 うつくし     ◎    川嶋杏子
82 父             川上進也
83 ばあさんの庭      五十嵐まり子
84 やくせん          大越剛吉
 
 *平成17年(2005)
85 七化け           能美 清
86 順番            吉田龍星
87 川ぴたり         横山とよ子
88 深層海流          普川元寿
89 セキララ     ◎   喜多村蔦枝
90 玉        ◎    西山正義
91 ホットドッグ        桑井朋子
92 栗の花      ◎    岩谷政子
93 駅前広場          水南 森
 
 *平成18年(2006)
94 野田くん          川上千十
95 豚        E    西山正義
96 ポケット          西村 操
97 スリッパ        佐々木美千代
98 右手           日向みなみ
99 クラゲ          神渡川雪彦
100 雨            すだとしお
 
 *芦原修二作品
1 おんぶ行者       ○☆  1985
2 犬と少年と郵便夫    ○☆  1991
3 叔父          F   1996
4 四人ないし三人の彼等  E   1999
5 腕の中の猫       ◎   2000
6 丸い男         ◎   2003
7 山吹の花        ◎   2004
8 飛行機             2005
 
---------以上---------

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