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2007年6月

2007年6月27日 (水)

月刊『短説』編集担当者

『短説』最新刊6月号〈年鑑特集号〉掲載の「月別編集担当者」が若干変更されました。年12冊のあいだに〈年鑑〉が入るので、どこかで2か月分を調整しなければなりません。今年は、5月・6月の座会分をまとめて9月号とします。担当は芦原さんです。各座会の担当者ならびに同人・会員の皆様にはお間違えのないようにお願いします。
 
 3月座会 ………… 7月号 …… 西山正義(校了)
 4月座会 ………… 8月号 …… 道野重信(編集中)
 5月/6月座会 … 9月号 …… 芦原修二
 7月座会 …………10月号 …… すだとしお
 8月座会 …………11月号 …… 西山正義
 9月座会 …………12月号 …… 道野重信
10月座会 … 20年・1月号 …… 芦原修二
11月座会 … 20年・2月号 …… すだとしお

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2007年6月26日 (火)

短説年鑑/平成18年(2006)の代表作

 本年度の〈年鑑特集号〉は、すだ・芦原・西山の共同編集により、予定通り6月号とし、実際の刊行・配布も6月中に完了することができました。(めでたしめでたし)
 なお、本誌の最終ページに囲みとして、以下の文が挿入されています。了とされたい。
--------------------------------------
 平成十八年度年鑑編集指針
 
 当年度年鑑は、その全体と他選集ならびに評論の編集をすだとしお同人が担当し、自選集を西山正義同人が担当し、最後のまとめは芦原修二がおこなった。
 制作に要する費用は、従前通り同人費、会費、自選作品の実費負担金によってまかなわれる。よって、当年度内に活躍していても、死亡等による以外の理由で退会し、当年鑑の制作経費の負担に責任を持たなくなった人の作品は、自動的に削除し、関係する評論も削除した。
 今回この点を厳密にとりはからった責任はまとめを担当した芦原にある。これまで、ともすれば情を重んじ、その点の処遇が緩やかだったのを反省するからである。
 会の運営に思いを致さない人の作品は、その作品自体にも責任を放棄している点があると考え、そう判断しての決断である。
 ご了解願いたい。
  平成十九年五月   芦原 修二
--------------------------------------
 
 さて、恒例の年間三位選はどうなったのか。
 
■2006年の代表作・他選集・点盛り表■
〈作品別集計〉
(天)コトノハ/すだとしお(4+6+4+4+3+4)=25点
(地)豚   /西山 正義(1+1+1+2+3)=8点
(人)赤とんぼ/道野 重信(3+4)=7点
(我)縄のれん/森林 敦子(1+2+3)=6点
(我)ラジオ /向山 葉子(3+3)=6点
 
(次点)
・少女    /芦原 修二
・蔦の葉の血しぶき色や袈裟御前/喜多村蔦枝
・右手    /日向みなみ
 
〈個人別集計〉
(天)すだとしお(35点)
(地)芦原 修二(14点)
(人)道野 重信/神渡川雪彦(12点)
(我)喜多村蔦枝(9点)
(我)西山 正義(9点) 
 
(次点)
・森林 敦子(6点)
・向山 葉子(6点)
・日向みなみ(5点)

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2007年6月20日 (水)

短説:作品「セキララ」(喜多村蔦枝)

   セキララ
 
           
喜多村 蔦枝
 
 このところ運動不足だ。五月の太陽は眩し
い。
 日曜日、妻と散歩に出た。
 角を曲がったら妻が言った。
「あら、私のダンスの先生が向こうから。あ
なたを紹介するわね」
 ダンスは妻の趣味だ。先生であるならこち
らから威儀を正さなくてはならんだろう。
 まず薄手の上着を脱いだ。シャツのボタン
を外し、ズボンのベルトに手をかけたところ
で、先生はもう近づいてきて、目の前にいる。
「先生、お出かけですか。こちら私の主人で
す」
 妻が言っている。
 先生は背広姿であった。
「それはそれは、初めまして」
 先生も上着を脱ぎ、ネクタイを外して、は
や下着になろうとしている。実に手早い。
 こちらは先にと思うから、少々焦っている。
「妻がお世話になっています」
 と言いながら、上半身裸になり、ズボンも
下履きと一緒に下ろした。
 良かった。かろうじて先生よりも早く丸裸
になれた。すぐ先生もこちらと同じ格好にな
ったので、丁重に頭を下げ握手をした。
「よいお天気で、お揃いでお散歩ですか」
 先生はニコニコ顔でそう言ってから、下着
をつけワイシャツを着てネクタイを結び、ズ
ボンのベルトを締めている。こちらも服を着
込む。さわやかな風が吹いてきた。
 先生と別れた。颯爽と歩く先生の後ろ姿を
二人で見送った。
「さすがダンスの先生だから、姿勢がいいな」
 と言った。
「でしよ」
 心なしか、妻の背筋が伸びたように感じた。

発表:平成17年(2005)6月東京座会/初出:「短説」2005年9月号(旧題「せきらら」)/再録:「短説」2006年9/10月合併号〈年鑑特集号〉*2005年の代表作「人」位選出作品/〈短説の会〉公式サイトupload:2007.1.6〕
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2007年6月13日 (水)

三康図書館

こんな図書館があったのを今まで知らないでいました。
財団法人で運営されている、珍しい私立の図書館です。
場所は、芝・増上寺の真裏で、東京タワーの手前というか真下。
先日増上寺に行ったのですが、その時は知りませんでした。
今もネットの検索に引っかかってきたのでその存在を知ったので、
実際にはまだ行ったことはありません。

なにが驚いたかというと、同人雑誌が多数収蔵されているようなのです。
それも近代文学館にあるような、文学史上有名なものではなく、
現在発行中の、要するに僕らが出しているようなものを多く。
『短説』はもちろん、『日&月』や水南森さんの『夜の博物館』までありましたが、
抜けている巻もあり、僕はここには寄贈した覚えがないので、
一体誰がどこからどうやって集めたんだろうか。

蔵書を検索してみると

短説 短説の会 我孫子 短説の会
69号(H3(1991)-71号,73号,75号,81号-83号,85号-86号,88号-89号
93号(H5(1993)-99号,101号,106号-107号,115号-116号,118号-120号,122号,
124号(H7(1995).11)-125号,128号,130号,133号(H8(1996).8)-136号,
140号(H9(1997).3)-142号,146号-149号,151号-157号,160号,162号,164号-165号
168号(H11(1999).7),170号,174号,176号-178号,181号,186号,188号-189号,
191号(H13(2001).6),196号-201号,204号,206号-218号,221号-224号,243号-244号,
246号(H18(2005).3)-248号(H18(2005).5)
請求記号:3N-8-2
別誌名:The tansetsu

海とユリ 海とユリ社 東京 海とユリ社
10号(S51(1976).4)-12号(S53(1978).3)終刊
請求記号:3N-9-3
冠称:詩と短編小説

秘夢 グループ・ヒム 東京 グループ・ヒム
8(S47(1972).4)終刊
請求記号:3M-13-1
冠称:詩と散文

日&月 西山正義 水南森 調布 西山正義 水南森
2号(H8(1996).7)-3号(H9(1997).3),5号(H10(1998).5)
請求記号:3M-13-2
別誌名:Hi to Tsuki

夜の博物館 水南森 流山 水南森
2号(H8(1996).4)
請求記号:3M-13-2
別誌名:『日&月』別冊水南森幻想短説集2号

「堕天使」や「江南文学」などはありませんでした。
さすがに百花繚乱の詩誌はあまり揃っていないようですが、
一度行ってみる価値あり。

財団法人三康文化研究所附属 三康図書館 (さんこうとしょかん) 〒105-0011 東京都港区芝公園4-7-4 明照会館1F  TEL:03-3431-6073 FAX:03-3431-6082  開館時間:9:30~17:00 (入館、貸出、コピー受付:16:30まで)  休館日:土曜日、日曜日、祝祭日、年末年始、夏季図書整理期間  ◆ 入館資格 16才以上 ◆ 入館料 1回:100円 / 回数券(6枚綴:500円、13枚綴:1,000円) ◆ 座席数 34席

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2007年6月 7日 (木)

短説:作品「ツチノエネヤ」(吉田龍星)

   ツチノエネヤ
 
            
吉田 龍星
 
 ツチノエネヤヘ行く山道は曲がりくねって
おり、入口には厳重に柵をほどこしてある。
 十四歳になった少年が、一度だけ、独りで
入り、一夜を過ごす習わしがある。
 その日が何時だなんていう取り決めは全く
ない。明け方、カミノミコの封印をしたナタ
が、家の戸口に置いてあると、少年は、直ち
に全身を洗い清め新しい服に着替えたうえ、
顔に面をつける。そして、ナタを持ち、村は
ずれにある細い入口をめざすのだ。たいてい
次の日の午後には戻ってくるが、前の晩の出
来事を話すことはない。勿論、ツチノエネヤ
がどんな所かも、話してはいけない決まりだ
から、少年たちは想像するのみである。
 
「サンチャの所、一昨日だったんだつて」
 ノボルが息を荒くしながら、タムヤの耳元
に囁く。村の広場の一角。女たちが小さい子
の面倒を見ながら共同で家事をしている。
「どうりで、ここに来なくなったものな」
 タムヤは、粉ひきの手伝いを終えると、は
んの木の手頃な枝に登り、女たちの動作を眺
めていた。最近は、言いつけられた仕事が終
わると、殆どこうしている。小さい女の子の
遊び相手もつまらないし、女たちのヒソヒソ
話や秘めやかな笑い声が酷く耳障りだった。
そのうえ、香の混じった匂いは、男たちが酌
み交わす酒に比べ、妙にくすぐったかった。
「おまえも誕生日、終わったんだろう。そろ
そろ、あそこへ行く番じゃないのか」
 ノボルは、顔をニヤつかせてタムヤの太股
を掴む。兄たちに何か聞いてるんだろうか。
「やめろよ。気持ち悪いな」
 タムヤは手を払いのけると、一段高い枝に
飛び移り、ツチノエネヤがあるという淡い緑
に包まれた山の頂を見つめた。

発表:平成10年(1998)7月藤代日曜座会/初出:「短説」1998年9月号/再録:「短説」1999年5月号〈年鑑特集号〉*1998年の代表作選出作品〕/〈短説の会〉公式サイトupload:2006.11.21〕
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2007年6月 6日 (水)

はや六月

 二週間更新していませんでした。意識が短説に行かない。MLにも復活した通信座会にもご無沙汰だ。仕事が忙しかったこともあるが、激務というのでは全然ない。それほど疲れているわけでもない。私生活はそれなりに充実している。相変わらず毎週日曜はソフトボールと野球漬けだ。ただ、文学だけに……。
 月刊『短説』の編集、あいだに〈年鑑〉を挟んでいるので、通常号の編集には余裕があった。が、逆に腰が重くなってしまった。六月号の〈年鑑特集号〉の校正は五月二十四日に終えている。発行ペースは完全に取り戻せた。七月号(三月座会分)の編集にようやく今日着手した。データがあるものはいいのだが、入力が面倒だ。
 その三月分を取りまとめたある座会の同人に、「いつもバイタリティに溢れるご様子、大変羨ましく思います」と言われたのだが、まったく内情は異なります。傍目にはそう見えるのでしょうが、それは空元気というもので、何か発言する時は、確信的にものを言い、強気でいるだけです。
 原因はわかっている。
 …… 
 話は突然変わるが、先月久しぶりに田山花袋の「蒲団」ほか「少女病」などを読み返した。「少女病」は、風俗はいかにも明治時代だが、そのまま現代にも通用する。同じ路線に通勤していて感じることは、男はみなそうなのではないかと思う。笑ってしまった。「視姦」したことがない男などいるのだろうか。

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