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2008年1月

2008年1月31日 (木)

信濃追分「油屋」旅館

 昨年七月、個人サイト「西向の山」の掲示板に、「追分、軽井沢、立原、堀・・・のファン」というある方より、

油屋旅館が4月から休業中です。
小川先生にお知らせください。いつ営業再開するかわからないそうです。

という書き込みをいただきました。
 それから半年経ち、今日たまたま検索してみたら、油屋さんのホームページはいきているようですが、
★ご予約・お問い合わせのお客様へ★
※誠に申し訳ございませんが、
設備の修繕、改装工事の為 休業中につき
一般のご予約を お受け出来ませんので
ご理解の程、 宜しくお願い致します。

Ts2a0472 となっていました。
 昨年七月初旬に宿の前を通り、中をちょっと覗いた感じでは、改修工事をしているように見えませんでした。もしかしたら、何か経営的な問題があるのかも……。

 今年もはや一月が終わります。
 写真は、信濃追分・泉洞寺の「日&月」です。

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2008年1月23日 (水)

短説:作品「七化け」(能美清)

   七化け
 
             
能美 清
 
「おじいさん、飽きもせいで毎日ながめて、
終いにゃ穴が空いてしまうぞな」
 体をコの字に曲げて、ばあさんが庭草をむ
しりながら、首だけ縁側のじいさんに向けて、
いつもながらの嫌味を投げつける。
「フッ、おなごにこの趣が分かってたまるか」
 手に持った、萩焼の湯呑みを慈しむように、
中を覗いたり、顔の上にかかげて糸尻の周り
をながめて、一人悦に入っている。
 三年前、金婚式の祝いに、子供等と孫が、
山口県の旅行をプレゼントしてくれた。
 じいさんは喜んでいたが、ばあさんは、旅
行の間じゅう、じいさんの世話をするのかと
思うと、おっくうだった。しかし、いざ出か
けてみると、十歳は若返ったかと思うほど、
シャキッとして、かえってばあさんのせわを
やくほどだった。
 この旅でじいさんは、生まれて初めて、自
分のための買い物をした。
 ちょっと大ぶりだが、姿のやさしい萩焼の
湯呑みだった。
 あれからまだ三年しか使っていないが、茶
渋がひびわれに滲み出て、七化けにはまだま
だ遠く及ばないが、味わいは確かに出てきた
と思っていた。
 ほんの昨日までは。
 
「おじいさん、おはようございます、今朝は皆
さんの食器を、全部晒したの、きれいでしょ」
 庭先で、洗濯物を干す手を止めて言う。
 真っ白な湯呑みに、呆然とするじいさんに、
「おじいさん、もう一度最初からやり直す分、
長生きしなさいっていうことですよ」
 日頃の嫌味ったらしさは消え、ゆっくり温
かく、じいさんに言った。

発表:平成17年(2005)1月関西座会/初出:「短説」2005年4月号/〈短説の会〉公式サイトupload:2007.2.21〕
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2008年1月17日 (木)

芦原修二さんの「短説逍遥」

 短説の会の公式サイトを更新しました。久しぶりに新規のページを追加。芦原修二さんの「短説逍遥」(36/37)と(42/43)です。
 芦原さんの短説作品論「短説逍遥」は、月刊『短説』の扉に、平成十年の四月号から連載が始まり、時折別の記事が挟まることもあるが、現在も続いているコラムです。平成二十年新年号現在で(77)回の連載を数えます。
 そのうち、公式サイトでは、そこで論及されている作品が公開されているものについて、漸次アップしています。
 今回の(36/37)回目は、すでに退会している会員の作品ですが、作品も評論も名作なのでアップしました。いい作品というのは、いい評論を生むものです。(42/43)回目の作品は、短説年鑑で平成十四年の代表作として「天」位、つまり第一位に選出された作品で、その後数々の傑作を生むことになる作者の転機ともなった作品ではないでしょうか。素晴らしい作品ですが、私は個人的に身につまされ、胸が痛くなります。

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2008年1月14日 (月)

北斎を観に行く

Pa0_0003 今日は三島由紀夫の誕生日である。生誕八十三年。それとは関係ないのだが、江戸東京博物館に北斎展を観に行った。江戸博には、昨年の二月にも短説東京座会の探題会で来ている。その時は江戸城展。
 北斎の多彩な仕事ぶりをほぼ網羅した特別展のほかに、常設展でも「北斎漫画展」が開催されている。葛飾北斎といえば冨嶽三十六景などその作品を見たことがないという人はいないだろうが、今回、版画の制作過程なども窺い知ることができ興味深かった。
 絵師、彫師、刷り師の共同作業で作り上げていく版画。「チーム北斎」は今ならさしずめスタジオ・ジブリみたいなものであろう。しかしその作業はすべて手仕事。よくもまあ彫れると思う。浮世絵に限らず、常設展に江戸時代の木版本の制作過程が展示されているのだが、すごい技術である。今なら何でもコンピュータ。いにしえの日本人の細かい技術は、今でもそれなりに受け継がれているといえなくもない部分もあるが、生身の手を使った技術力という点では、やはり考え直さなければいけないものがあるだろう。

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2008年1月 9日 (水)

短説:作品「書斎」(藤森深紅)

   書 斎
 
            
藤森 深紅
 
 叔父の書斎はすこし徽臭かった。
 三十年ぶり位に書斎に入ったのに、あやは
その匂いを覚えていた.
 叔父が書斎に本を一杯に広げて、虫干しす
るのを手伝ったことがある。
 本の間を銀色の紙魚が走り抜けるのを見て、
綺麗だと思ったものだった。
「あやちゃん、久しぶりだね」
 叔父の葬儀で顔を合わせた従兄の邦夫はす
こし額がはげ上がっていた。
 この家にいとこ達が集まると、よくかくれ
んぼなどをして遊んだものだ。
 あやは特に邦夫に可愛がってもらった。
 よく、あやを膝の上に座らせて絵本を読ん
でくれた。
「これ見てごらん」
 ある日、邦夫は本棚の一番上に隠すように
置いてあった本をあやに見せた。
 そこには極彩色の写真が写っていた。
「おとなはこんなことをするんだよ」
 幼いあやにはよく分からなかったが、あや
の頬にしっかり自分の頬を押しつけ、くいい
るように写真を見つめる邦夫に、よほど大事
な本なのだろうと感じた。
 そして、本を読んでもらっている内に、気
持ちよくなって眠ってしまうことがよくあっ
た。
 あれは誰の膝の上だったんだろう。
 邦夫だったのか、叔父だったのか。
 そして、この家に出入りしなくなったのは
何故だったんだろう。
 
「あの子、あやちゃんの小さい頃にそっくり
だね」
 いつの間にか、邦夫の膝の上には娘のゆな
が座っている。

発表:平成14年(2002)3月関西座会/初出:「短説」2002年6月号/再録:「短説」2003年5月号〈年鑑特集号〉*2002年の代表作選出作品〕
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2008年1月 7日 (月)

新年一週間

 元旦から三日間出歩き、そのあと四日間家に引きこもっていた。今回は休みが待ち遠しかった。しかし、人より長い休みがありながら、結局何もできなかった。そしてはや七草。
 五日に自サイトを更新したのだが、現代詩のサイトをいろいろ見ていたら、サイト全体を根本的に作り変えたくなってきた。
 ところで、“詩”と称するものをアップしているサイト・ブログは、それこそ星の数ほどあるだろうが、ここで問題にしているのは、“戦後詩”以降のいわゆる“現代詩”のことで、インターネット上だけでハンドルネームで公開されているものではなく、紙媒体の何らかの同人詩誌に参加または運営している人達のことである。中央の詩壇でなくても、少なくとも地方の詩壇、あるいはそれ相当の圏内にちゃんと登録されている詩人。それらの詩人のサイトをリンクからリンクヘ辿っていくと、何となく見えてくるものがある。意外なネットワークがあったり。どうやら僕もその外縁にいるようなのだが、さて何ができるか。
 残念ながら、短説にはそうした視点が欠けている。

 
 景気付けに、季節はずれですが、花火でも。(山中湖の花火/撮影:娘)
P8010608

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2008年1月 1日 (火)

初詣

Nenga_H20_by_N.Maya 初詣に川越まで行ってきた。僕の初詣は二日、三日がメインのため、元旦は家族で毎年違うところに行っている。川越には神社仏閣がたくさんあるのだが、昼過ぎに家を出たので、お参りは喜多院を詣でただけ。
 成田山別院を横目に、名物の鰻の蒲焼きの匂いを嗅ぎながら、大正浪漫夢通りを経由して、蔵造りの町並みをそぞろ歩く。菓子屋横丁の店はさすがに一軒しか開いていなかったが、そこでちょこっと買い物をし、本川越に戻る。以上すべて徒歩。結構歩いた。
 妻と娘は西武ペペで福袋を購入。前回古寺社めぐりのフィールドワークで来た時は別のルートを使ったので、西武新宿線の始発から終点まで乗ったのは初めてだった。たまには乗りなれない電車に乗るのもいいものである。もっともほとんど眠っていたのだが。

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謹賀新年

 平成二十年が明けました。謹んで新しい年のお慶びを申し上げます。本年もどうぞ宜しくお願い致します。
Nenga2008_4
 実は昨日の大晦日、いろいろ書いたのだが、言い訳や能書きやマニフェストめいたことは一切やめようと思い、結局何もアップしなかった。旧年中のことは水に流し、また新たな気持ちに立ち返るしかない。そしてそれを示すのは、具体的な行動以外にあり得ない。だからそれ以上はもう言わない。
 
 昨年、短説の会を去っていった人もいたが、一方で、新たに同人に加わった人もいる。去る人来る人さまざまなのは世の常で、いちいち気にしてはいられない。今年はどんな展開になるか。いや、個人個人がどのように展開させるか。要はそれにかかっている。

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