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2013年11月

2013年11月29日 (金)

辻井喬氏が死去

 辻井喬氏が亡くなった。世間的には、堤清二氏が、と言った方がいいかもしれない。またひとつ「昭和」が消えたような感じだ。
 訃報が流れたのは昨日(11月28日)だが、実際に亡くなられたのは11月25日だという。僕は、反射的に小川和佑先生を思ってしまった。
 小川和佑先生より三つ年上の昭和2年生まれ。行年86歳。同世代であり、学生時代に多少接点がある。詩人としての出発もほぼ同じころで、一般には狭義の「戦後派」に属しているとは言われないが、その最も若い世代であり、系譜的には「戦後派」を引き継いでいる。
 しかし、あれだけの詩人・作家にもかかわらず、その作家論として一冊にまとまったものは、現在までに小川和佑先生の『辻井喬―創造と純化―』(2008年12月、アーツアンドクラフツ刊)ただ一冊しかない。
 同年生まれに吉村昭がいる。文学的位相では似通ったところがある。二つ上の三島由紀夫とは、思想的には相反するはずであるが、相互にシンパシーを抱いていた節がある。いやそれだけでなく、三島由紀夫の世間的には悪評に曝されていた「楯の会」の、その悪名高い制服を制作するにあたっては相当の便宜をはかったことは有名な話である。奇しくも命日が同じになった。
 1980年代に青春を送った者としては、なんといっても、パルコの戦略は鮮烈だった。詩人・小説家としてはもちろん、実業家としても、いま(まさに今この現在に)再び検証されるべき人物であろう。
 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。――合掌

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2013年11月22日 (金)

Paul McCartney ~OUT THERE~ 2013

 そりゃあもう、これはまさに一夜の、本当に最高の夢でした。リアル・エクセレント・ドリーム!
 たかが一夜、三時間、されどそこに、11年分の夢が詰まっていました。いや、ビートルズとして初来日して以来、47年分の夢が!

 昨日、11月21日木曜日、東京ドームに、ポール・マッカートニーの~OUT THERE~2013 ジャパン・ツアーの千秋楽に行ってきました。
 前回行ったのは平成14年11月14日だから、まる11年ぶり。その時も東京の楽日でしたが、前回はそのあと大阪公演があった。今回は逆に、大阪、福岡と来て、最後が東京。その年、ポールは満60歳、日本風に言えば還暦を過ぎていた。当時のウェブ日記に「日本ではこれが見納めになるかもしれない」などと書いたが、なんのその、御歳、71歳ですぜ!
 とにかく驚異的だ。感動の桁が違う。
 直前に出たニュー・アルバムも、とても71歳の(日本人なら)“お爺さん”が叩き出すサウンド、歌声とは思えない。これも日本風に言えば、ポールは昭和17年生まれの“戦中派”ですからね。ビートルズ・ファンの贔屓目を抜きに、2013年の“現代”に聴けるものに仕上がっている。71歳にして「NEW」ですぜ!

Sn3n0282 さて、ライブ会場へ。仕事なんかやってられないさ。早めに行ったさ。神保町から古本屋をなめながら水道橋まで歩いたさ。思えば、夫婦でこんな風に街を歩くのは久しぶりかもしれません。途中、腹ごしらえをして、まずはグッズ売り場の長い列に。前日は寒かったが、昨日は穏やかな天気だったこともあり、全然苦になりませんね。
 入場から席に着くまで結構時間がかかると言われていましたが、それほどでもありませんでした。席は一階とはいえ、三塁側の一番奥、まさかの最後列でしたが、うしろは一段高くなった車イス用の席だったので、気兼ねなく、位置としても比較的見やすい席でした。グッズ売り場で時間を食ってしまったので、そんなに待つこともなく、というより、始まるまでの間も、楽しいものでした。

 ついに、ポール登場。例のヘフナーの“ヴィオリン”ベースを高々と持ち上げたポールが登場。もうそれだけで感動ものです。
 1曲目は“Eight Days a Week”。最近はネットでセットリストなんかも知れ渡っていますが、この曲を1曲目に持ってくるのは意外な感じがします。1964年当時はまだジョンとポールがクレジット通り共同で曲作りをしていたのでしょうが、この曲はジョンのリード・ヴォーカル曲で、つまりジョンの曲という印象がありますから。でもだから、なおさら、ぐっと来ちゃうんですね。それをポールが歌うんですから。
 2曲目は早くもニュー・アルバム冒頭の“Save Us”。最近では、直前のワールド・ツアーの模様なんかもすぐにYouTubeにアップされちゃったりしますが、やはり生の音は格別なのでした。
 3曲目、“All My Loving”。もう会場中大合唱ですさ。偶然でしょうか、11年前も3曲目はこの曲でした。
 4曲目は“Listen to What the Man Said”。19日は“Jet”だったそうですが、この日は18日同様この曲に。個人的には、ヒットしているのをリアルタイムで聴いた最初の曲なので、懐かしいという点では一番懐かしい曲です。
 5曲目はレスポールに持ち替えて、“Let Me Roll It”。ハムバッキングのエレクトリック・ギターの音が心地よい。
 そして6曲目は、1966年のビートルズ来日でもやった当時最新曲だった“Paperback Writer”。それを、ポールがあのエピフォン・カジノで演奏。あのギターはジョン・ポール・ジョージ三人が持っていて、ビートルズ・サウンドを象徴する楽器の一つですが、最初に導入したのはポール。この曲ではポールの早弾きのハイトーン・ベースも聴きたいですが、1966年の来日公演に行った人には涙もんの光景ですね。

(と、1曲ずつ書いていたら大変なことになってしまいます。この稿、続くかもしれませんが、ひとまず今日はここまで)

 とにかく今回は、大スクリーンや照明以外には特別な演出はなく(唯一“Live and Let Die”の花火はありますが)、ひたすら演奏。日本語を交えたトークも最小限で、本編終了までまったく休みなく、曲と曲のあいだに一息つくとかもなく、水すら飲まなかった(ように思います)、楽器を取っ替えひっかえ、ひたすら歌と演奏。凄いの一言に尽きます。
 肉眼では米粒のようでも、動いているビートルを生で見られるなんて、本当に夢のようでした。
Sn3n0289

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2013年11月14日 (木)

『ジャン・コクトー全集』と読んだ本

 ヤフオクで落札した『ジャン・コクトー全集』が届いた。いわゆる「古本」だと思っていたら、全八巻すべて、必ずしも初版というわけではないが、まだ誰も開いた形跡のない「新古書」だった。これは嬉しい「想定外」であった。本を開いたら「昭和」の匂いがしたような……?
 コクトー全集などはネットで調べればいくらでもあるかと思ったら、さにあらず。全巻揃いで在庫があったのは、これ1セットのみであった。しかも安い。掘り出しものである。
 思えば、コクトー全集などはやはりその筋の“マニア”しかほしがらないもので、刊行当時手に入れた人は、その後もずっと大切に愛蔵しているのだろう、古書店にあまり出回っていないようだ。
 ならば、希少価値も出てきて、高くなっていてもよいのだが、実際一冊ごとに出ている場合はそれなりの値段になっているのだが、文学書を扱っている書肆ではないのが幸いして、非常に安く手に入れることができた。まったくラッキーであった。

 さて、ますます本が読めなくなっている。ブログをさぼっていた四ヶ月間に読んだのはこれだけ。月に一冊!ぽっち。あ~あ。

(7月6日)
*読了20冊目(24.12.1~):フランシス・ジャム『散文詩 夜の歌』(三好達治訳・昭和26年10月初版/昭和31年12月5刷・新潮文庫)

(8月26日)
*読了21冊目(24.12.1~):『ポー詩集』(阿部保訳・昭和31年11月初版/平成19年9月51刷改版・新潮文庫)

(9月9日)
*読了22冊目(24.12.1~):シリーズ・はじめて学ぶ文学史③『はじめて学ぶフランス文学史』(横山安由美/朝比奈美知子編著・2002年4月初版・ミネルヴァ書房)

(10月21日)
*読了23冊目(24.12.1~):クラフト・エヴィング商會プレゼンツ『猫』(2009年11月初版・中公文庫)
著者:有馬頼義/猪熊源一郎/井伏鱒二/大佛次郎/尾高京子/坂西志保/瀧井孝作/谷崎潤一郎/壺井榮/寺田寅彦/柳田國男/クラフト・エヴィング商會

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2013年11月12日 (火)

娘の誕生日に

 またまた投稿が途絶えてしまった。前回は7月1日。それから暑い夏が続き、あっと言う間に秋が過ぎ、もう冬支度の今日この頃である。
 これだけ間が空くと、再開のきっかけがつかめないでいたのだが、今日は娘の二十二歳の誕生日。
 二十二歳というと、反射的に「22才の別れ」を連想してしまう世代なのだが、わが家の娘には彼氏はいないようだ。(知らぬは親ばかりということでは、どうもなさそうだ)。
 その娘が、大学ではヨーロッパ比較文化学科というちょっと毛色の変わった学科に進み、歴史や地理に近い、広い範囲の文化・文明論に行くのかと思ったら、どこでどう間違って親に似てしまったのか、文学の方向へ行き、卒論はジャン・コクトーということになった。
 それで、誕生日のプレゼントは本人のリクエストで、当初は、これも今時の大学生にしては遅ればせながら、ノートパソコンにするつもりが、急遽、『ジャン・コクトー全集』に変更し、(パソコンも買うつもりだが)、家族で二日早く誕生日を祝った日曜日に「ヤフオク」で落札した。
 そんないきさつやなにかを、本当は「短説」にしようと思ったのだが、今日のところは、メモとしてブログへの久しぶりの投稿に留めておく。

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