小川和佑先生七回忌のご命日を控えて
本日昼頃、私が編集した小川和佑ゼミナールOB会誌『小川のせせらぎ』の第2号が、亡き先生の奥様である小川節子様に無地届けられました。
OB、OGのみなさんへは、一日早い9月11日金曜日に「ゆうメール」で発送しました。速達扱いではありませんが、早いところでは翌日の12日に届いたようです。
先生の七回忌の一週間前に間に合いました。昨日あたりも九州地方は大雨だそうで、心配であります。
先生の七回忌の法要は、親戚なども集めずに、奥様一人で執り行うとのことです。もちろん新型コロナウイルスの影響で。
奥様へもみなさんへも届いたようですので、インターネット上でも告知します。以下に「編集後記」を転載します。
もしまだ届いていない方や、最近音信不通になっている方は西山までご連絡ください。限定50部の手作り冊子で、必要部数しか制作していませんので、少しお待ちいただくことになりますが……。
『小川のせせらぎ』第2号〈編集後記〉
小川和佑先生七回忌
この九月二十日で、小川和佑先生が他界されて満六年になります。すなわち、仏教でいうところの七回忌にあたり、日本の多くの家庭で追善供養の法要が行われるのが慣例になっています。
ところが今年は、ご周知のとおり新型コロナウイルス感染症が世界的に大流行し、高温多湿の季節になっても依然収まらず、現在も第二波といえるような猛威が広がっています。
それで、小川家としても、七回忌に人を集めないことになりました。せめてお墓参りだけでもと思いますが、県外から宇都宮へ行くのは、今はまだ差し控えた方がよいでしょう。
本当は、この冊子を御命日に墓前にお持ちしたいと思っていました。そしてOB会で集まり、みなさんにお渡ししたいと。しかしそれも今は難しいので郵送することにしました。
第2号について
今回も力まかせで作りました。第1号ではそうしたように、雑誌や新聞の初出や書籍の形で見てもらいたいという思いもありますが、月報をそのまま拡大コピーした『「地球」への回想』以外は、一語一語手打ちで入力しました。
巻頭の『わが一九四五年』は、当初は抜粋のつもりが、ほぼ全文丸々写すことになりました。社会思想社の現代教養文庫の『青春の記録』三巻は、まったく特異なアンソロジーで、私が学生の頃はまだ新刊本の書店にも並んでいましたが、小川ゼミの中でも手に取ったことがある人はごくわずかのようです。今年は敗戦から七十五年の年。今、改めて読んでもらいたい一書です。現在では入手困難なゆえ、ここに打ち出しました。可能なら実際の本を手に取り、収録作品も読んでほしいです。
小川ゼミOB会の運営について
さて、みなさんにご相談というか、確認したいことがあります。
私たちがここに「小川和佑ゼミナールOB会」と名乗っている会は、一応会則もありますが、もう長いこと組織的な「会」としての体裁を成していません。
このOB会は、私が卒業した昭和六三年九月から準備され、翌平成元年七月に発足しました。そして、平成一三年(二〇〇一)一月に先生の「最終講義」を開催し、以後も、ゼミ合宿(というより、もはや学生がいないのでOB会合宿)や出版記念会などを開催してきました。
平成二一年と二二年の最後二回の合宿や、最後の花見(平成二五年)は何人かで協力し合って企画しましたが、事務局の運営を組織的に行っていたのは最終講義の頃までです。
その事務局は、発足当時から現在に至るまで、一貫して私が一手に引き受けています。それはやりたくてやっていることなので別にいいのですが、何が言いたいのかというと、今回この冊子を送るにしても、本当に送っていいものかどうか迷う人もいるということです。会員を明確に組織化できていないので。
この会はOB会といいながらも、学校の同窓会とは性質が異なります。その学校を卒業していれば、本人の意思にかかわらず、たとえ消息不明でもその名簿から名前が削除されることはありません。しかしこの会は好きな者が集まっているだけです。
ところが、その「好きな者」なのかどうか、よく分からない人もいるということです。この三十年の間に、次第に郵送物が届かなくなって、消息不明になってしまった人が数多くいます。一人ひとりこのOB会に〈オルグ〉してきた私としては、今でも皆の顔が思い浮かびます。一度でも合宿などに参加したことがある人は、ひと回り以上したの学年までみな覚えています。だから愛着もあるのですが、連絡先が分からなくなってしまってはどう仕様もありません。
一方で、それは私の片思いで、学生時代に聞いた住所が実家だったり、その後一度も転居していないという理由だけで、今でも郵送物が届いているということもあるのではないか。
合宿や花見を毎年のように開いていた頃は、しかもその案内を主に郵便で行っていたので、転居しても一年以内なら転送されて連絡がつくこともありましたが、間遠になると……。いや、去る者は去るで仕方ないのですが、意図せずにということもあるのではないか。
何か矛盾することを言っているようですが、大学卒業以来、三十年以上みなさんに連絡を取り続けている私としては、どこかモヤモヤする気持ちがあるのです。要は、OB会の〈総会〉を開き、〈名簿〉を作る必要があるのですが、それがずっと出来ていないのが原因です。
ですので、今回この冊子を送るのも、もはやゼミOB会としてというより、西山個人が知っている人に送るというのが実情です。
何十年も付き合いが切れていたのに、ある日突然復活した例もあります。一般的な例ではなく、この会で実際に何度もあった話です。だから、住所が分かっている人には、私は今回も送り続けます。この声が届かない人には、何とかホームページに辿り着いてくれることを願います。
われらが恩師和佑先生の「お師匠さん」である中村真一郎の『死の遍歴』という小説に、「仲間の解散は青春の終りを象徴する」という一節があります。そうしたことは遅くとも三十前後には訪れ、そうして人は否応なしに〈大人〉になっていくのですが、私はどうしてもそれが耐えられないようです。……小川先生、そしてみなさん!
――令和二年九月九日午前三時(西山正義)
| 固定リンク
「お知らせ」カテゴリの記事
- 9/28(土)小川和佑先生を偲ぶ会の直会のご案内(2024.09.14)
- 「第二回小川和佑先生を偲ぶ会」のご案内と『小川のせせらぎ』第3号を送付(2024.08.29)
- 第2回小川和佑先生を偲ぶ会の立案進捗(2024.08.01)
- 5月11日(土)風信子ハウス見学&小川ゼミOB会開催!(2024.04.05)
- 「小川ゼミ通信」Vol.48(LINE友だち追加依頼)(2024.01.30)
「文学」カテゴリの記事
- 小川和佑先生七回忌のご命日に(2020.09.20)
- 小川和佑先生七回忌のご命日を控えて(2020.09.13)
- 〈伊東静雄没後50年記念文芸講演会〉が7月13日大阪で開催!(2003.06.18)
- 庄野潤三の『前途』-島尾敏雄、そして伊東静雄-夜汽車での若い母親と赤ちゃんの挿話(2003.04.30)
- 永遠の少女・詩人堀内幸枝さん(2003.03.28)
コメント