短説「頸が……」西山正義
頸が…… (――空白を埋めるための後付け短説) 西山 正義 ・ 平成も四半世紀目の二十五年になり、私も とうとう四月で五十歳。仕事と、それ以外に は仕事に備えて体調を整えるのに精一杯で、 日々はあっと言う間に流れるのであった。 眼の疲れから来るのか、単なる加齢からな のか、やはり職業病なのか、人が言うところ の五十肩と思われる症状に悩まされることに なってしまった。利き腕の右ではなく、なぜ か左が酷いのだが、肩から肩甲骨にかけて、 何もしていなくても激痛に近い痛みが走る。 それでパソコンにも長いこと向かっている 気がせず、ブログも更新できなかった。それ と、父のパソコンが壊れたので買い替え、そ のセットアップや、もうパソコンを十年以上 もやっているのにいまだに基本操作すらおぼ つかない父への教示やら、私のノートパソコ ンも不調だったりして、というのは口実で、 結局のところやる気が起こらなかったのだ。 肩と肩甲骨から腕にかけての痛みは、いわ ゆる五十肩ではなく、どうも頸の骨の間にあ る神経からきているようだ。考えてみれば、 腕をまわしてもなんともないし、そもそも腕 はちゃんと挙がるし、ソフトボールも支障な くできた。パソコンをやりだすと痛みが増す ので、やはり坐ったときの姿勢なのだろう。 話は替わって、昨日から、いよいよ息子の 大学入試が始まった。同時に、娘が自動車教 習所に通うことになった。 今月は車検で、自動車保険も更新しなけれ ばならない。現在は三五歳以上補償の契約だ が、娘が免許を取ったら二一歳以上に。保険 料は一・五倍になる。息子も大学に受かった らすぐ取るだろう。一八歳からの補償となる と、保険料は二倍以上に跳ね上がる。とても 頸が回らない。せめて、肉体の方の頸だけで も痛みなしに回ってほしいものである。 |
ブログ1:平成25年(2013)1月29日(火)~18:30
ブログ2:平成25年(2013)2月2日(土)~13:14
短説化:令和3年(2021)5月1日(土)21:45~22:45
第二稿・訂正版:令和3年(2021)5月3日(月)~20:25
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