短説「息子の嫁から(そして靖國神社と浅草寺へ)」
息子の嫁から(そして靖國神社と浅草寺へ) 西山 正義 息子のお嫁さんからまたまた素晴らしい物 が届いた。元日うちの車を使用した際、私の ETCカードで支払った高速代として京都のお 土産を送ってきてくれたのだ。そんなのはい いのに。そのつもりで年末に洗車しガソリン を満タンにしカードも刺しておいたのだから。 でもその気遣いが嬉しいじゃないの。 小倉山荘のおかきの詰合せ。正月にも百人 一首のカルタあられと京都のお茶に岡谷のわ かさぎの佃煮を手土産に持ってきてくれた。 昨年のお歳暮には加賀麩汁。小倉山荘といえ ばもちろん藤原定家の「小倉百人一首」ゆか りの場所である。平安文学を専攻するお嫁さ んならではのチョイスであるが、私たち夫婦 が文学を愛好するというのを知ってのことで ある。還暦を迎える令和五年の正月、年の始 めから雅やかに美味に過ごせている。 そして十二日、元日と二日に目の前まで行 って参拝をあきらめた靖國神社に詣でること ができた。ちょうど正午に着いたのだが、外 苑参拝者駐車場にすんなり入れた。まずは拝 殿にお参りし、国の安からんことをお祈りす る。遊就館に寄り、今年の奉納のための新作 刀剣の展示を鑑賞した。お昼は、遊就館の茶 寮「結」の海軍カレーにするか迷ったが、外 苑休憩所の「靖國八千代食堂」で海老かき揚 げそば(女房は同うどん)をいただいた。 それから、浅草へ。女房が新春浅草歌舞伎 を観るため、浅草公会堂まで送った。時間が あったので、浅草寺に参拝し、仲見世通りは 避けて、伝通院通りから浅草公会堂のあるオ レンジ通りを少し歩いた。浅草一の目抜き通 りである雷門通りのパーキングエリアに待つ ことなく駐車できたのはラッキーだった。三 年ぶりに行動制限のない正月。浅草はさすが に賑わいを取り戻しつつあるように見えた。
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