文学

2018年11月16日 (金)

『戦後詩大系』全四巻(本体&函および月報)

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三一書房版『戦後詩大系』収録詩人の年齢

 最高齢は明治一六(一八八三)年生まれの高村光太郎で、当時すでに故人であったが、存命なら八三歳。高村光太郎は戦後評価が二分しており、〝戦後詩〟のアンソロジーに彼を採録しているのは本書編集者たちの一つの見識を示しているといえる。
 次いで高齢なのが、明治二七(一八九四)年生まれの西脇順三郎、明治二八(一八九五)の金子光晴、明治三一(一八九八)の笹沢美明、中野秀人、吉田一穂、坪井繁治、明治三三(一九〇〇)の北川冬彦、三好達治、岡崎清一郎、明治三四(一九〇一)年の村野四郎。三好達治は故人であったが、北川冬彦や村野四郎は刊行当時七〇歳である。
 いや上よりも若い方だろう。一番若いのはだれか。昭和一七(一九四二)年五月三日生まれの郷原宏。「長帽子」の詩人。刊行当時二八歳であった。今となっては、一番若くても戦争中の生まれなのだった。
 次に若いのは、昭和一五(一九四○)年生まれの会田千衣子、古川史子、藤森安和、昭和一四(一九三九)年の長田弘、岡田隆彦、吉行理恵、石井藤雄、吉増剛造。このあたりが三○歳になったばかりの詩人たちだ。
 それに次いで若いのが、昭和一二(一九三七)年生まれの仁科理、鈴木孝、中野妙子、昭和一一(一九三六)年の寺山修司、水野隆、そして昭和一○(一九三五)年の鈴木志郎康と、本書では生年月日が伏せられているが芦原修二が同い年である。ここまでが三五歳で、当時の最も若い新進気鋭である。
 個人的なことを記すと、私の父は昭和一二年、母は一四年の生まれなので、私からすればちょうど親の世代ということになる。
 ザ・ビートルズのジョン・レノンとリンゴ・スターは日本風にいえば昭和一五年、ポール・マッカートニーは昭和一七年、ジョージ・ハリスンは昭和一八年の生まれで、同世代というわけだ。
 ジョンや寺山修司など若くして死んだ人はともかく、長く生きた人でも平成も終わろうとしている現在では八○代になり、私の父も七九で亡くなり、芦原修二さんは生きているのやら死んでしまったのかすら分からない。存命なら八三歳。本書の編者の一人小川和佑先生が亡くなったのが四年前で八四歳であった。
 一方、かのポール・マッカートニーは、質・量ともに充実したオリジナルのスタジオ録音盤ニュー・アルバムを引っ提げて、つい最近(二週間ほど前)も日本公演でその健在ぶりを示した。これはもう本当に凄いことだ。
 話がそれたが、この『戦後詩大系』に収録された二四一名の詩人のうち一体何名が存命なのだろうか。
 しかし、それでも、こうして「本」として残っていれば、半世紀近く経っても、誰かが手に取って大事に読むこともあるわけだ。

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2018年11月 1日 (木)

三一書房版『戦後詩大系』全四巻収録詩人

  Ⅰ ア~オ
阿部弘一・安藤一郎・安東次男・安宅夏夫・安西均・会田千衣子・会田綱雄・赤木三郎・足立巻一・秋谷豊・秋村宏・芦原修二・天沢退二郎・天彦五男・天野忠・鮎川信夫・荒川法勝・井上俊夫・井上靖・伊藤桂一・伊藤海彦・石垣りん・石井藤雄・石原吉郎・石川逸子・乾武俊・飯島耕一・磯村英樹・犬塚堯・茨木のり子・入沢康夫・和泉克雄・内山登美子・上杉浩子・江森国友・餌取定三・小山正孝・荻原恵子・及川均・岡崎清一郎・岡崎澄衛・岡田隆彦・岡田兆功・小川和佑・小野十三郎・小田久郎・大崎二郎・大滝清雄・大野純・大野新・大岡信・長田弘(五二名)

  Ⅱ カ~ス
香川紘子・河邨文一郎・加藤郁乎・風山瑕生・角田清文・片岡幹雄・片岡文雄・片桐ユズル・片瀬博子・金丸桝一・金井直・金子光晴・鎌田喜八・唐川富夫・金沢星子・上林猷夫・川崎洋・木島始・木原孝一・木村嘉長・菊地貞三・岸田衿子・北村太郎・北川冬彦・君本昌久・清岡卓行・許南麒・草野心平・久坂葉子・窪田般弥・倉橋健一・栗原まさ子・黒田喜夫・黒田三郎・慶光院芙沙子・小海永二・小松郁子・小出ふみ子・高良留美子・郷原宏・嵯峨信之・佐川英三・佐藤憲・斎藤庸一・斎藤怘・桜井勝美・坂本明子・笹原常与・笹沢美明・澤村光博・島崎曙海・嶋岡晨・渋沢孝輔・清水俊彦・清水高範・柴田元勇・十国修・生野幸吉・城侑・白石かずこ・新川和江・新藤千恵・新藤凉子・諏訪優・菅原克己・菅谷規矩夫・鈴木志郎康・鈴木孝・鈴木正和(六九名)

  Ⅲ ス~ハ
進一男・関口篤・関根弘・宗左近・高田敏子・高村光太郎・高野喜久雄・高内壮介・高見順・高橋睦郎・竹川弘太郎・武田文章・武村志保・財部鳥子・滝口雅子・田村昌由・田村隆一・谷川雁・谷川俊太郎・知念栄喜・辻井喬・粒来哲蔵・鶴岡冬一・鶴岡善久・坪井繁治・寺門仁・寺山修司・土井大助・土橋治重・富岡多恵子・殿岡辰雄・殿内芳樹・友竹辰・鳥見迅彦・徳永民平・峠三吉・那珂太郎・中江俊夫・中桐雅夫・中野秀人・中野鈴子・中野妙子・中野嘉一・中平耀・中村千尾・中村真一郎・中村稔・中村隆子・永井善次郎・永瀬清子・永島卓・長島三芳・長尾辰夫・難波律郎・西一知・西垣脩・西森茂・西脇順三郎・新国誠一・仁科理・野間宏・野村英夫・原民喜・原条あき子・花田英三(六五名)

  Ⅳ ハ~ワ
林嗣夫・長谷川龍生・浜田知章・平井照敏・平林俊彦・平光善久・福士一男・福永武彦・富士正晴・藤富保男・藤森安和・古川史子・堀内幸枝・堀川正美・堀田善衛・堀場清子・牧章造・牧羊子・松田幸雄・松永伍一・丸山豊・三木卓・三木昇・三谷晃一・三井ふたばこ・三好達治・三好豊一郎・水尾比呂志・水野隆・水上文雄・南川周三・港野喜代子・宮崎健三・村岡空・村田正夫・村野四郎・牟礼慶子・森崎和江・安水稔和・梁瀬和男・山口洋子・山崎栄治・山田今次・山田正弘・山本太郎・吉岡実・吉田一穂・吉野弘・吉原幸子・吉増剛造・吉本隆明・吉行理恵・鷲巣繁男・渡辺武信・和田徹三(五五名)
(Ⅰ~Ⅳ・合計二四一詩人)

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2018年10月30日 (火)

三一書房版『戦後詩大系』全四巻収録詩人(序)

 今年1月に、昭和45年9月から刊行開始された伝説の書籍と言っていい三一書房版の『戦後詩大系』全四巻を、しかも総革張りの限定三百部特装版を手に入れたという話を書いた。
 このエポックメイキングな書籍の編者は、嶋岡晨・大野順一・小川和佑の三人で、三人とも私にとっては明治大学文学部の大先輩であるが、当時まだ四十歳になるかならないぐらいの若き新進気鋭の詩人・評論家である。と、これは現在からみての感慨で、当時は既に「中堅」の域に達していたのかもしれない。
 折り込まれている三一書房の当時の新刊案内のトップにこうある。

 既成の評価に盲従することなく、ひろく戦後二十五年の詩の世界を展望する。
 二三〇名余りの詩人の代表作を、ほぼ平等のページ数に編集、事典的形式をとる。
 幸運なひとつかみの詩人たちの詩業に約束された拍手を送るせせこましさを捨て、埋もれたおおくの才能に惜しまずライトを当てる。
 詩人の略歴、年譜を付して、詩集発行の年月日や出版社などがわかるようにした。
 新しい視点から書き下ろした戦後詩史を付して、幅広く詩人の活動の跡をたどる。
 戦後詩史年表を最終巻に収録した。

 第一巻の冒頭に、編者を代表して嶋岡晨氏が「道標(みちしるべ)」と題した巻頭言を書いている。編集の経緯や意図についで、編集の基本的な方針が記されている。全文抜き出したいところだが、それは省略する。しかし、せめて、収録されている全詩人の名前を列挙してみたい。
 刊行から48年の月日が経ち、つまりやがて半世紀を向かえるわけで、本書も歴史の彼方に忘れ去られているわけだが、今この場を借りて、当時はまだ存在していなかったインターネットという世界に、せめて名前だけでも写し採っておくことは無駄ではないだろう(と信じたい)。

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2018年9月 5日 (水)

四城亜儀という詩人・小説家

 私が作成している『小川和佑先生著書目録』に、本編の著書目録を一時休んで、昨年10月から「小川和佑先生の言葉」として、その著書からみなさんにぜひ読んでもらいたい文言を抜粋して転載していますが、4月29日の先生の生誕記念日から『わが一九四五年 ――青春の記録1』(昭和50年9月・現代教養文庫)を写していました。当初は抜粋の予定でしたが、ほぼ丸写しに書き出すことになりました。
 それで本日、最終章の「5 問うべき戦後とはなにか ――持続すべきもの」の後半をアップしました。そこでは四城亜儀というちょっと謎めいた作家の小説「帰ろう愛の天使たち」が取り上げられています。彼(または彼女)は、当時も今も全く無名の同人雑誌作家で、私も本書で初めて知ったのですが、やはり小川先生経由で別に知った芦原修二氏を通じて、芦原さんがかつて主宰していた同人誌『海とユリ』で別の作品を読み(いや、あるいはこちらを先に読んだのだったか)、さらに私が学生の時に芦原さんが創始し、私も参加した『短説』でも、四城亜儀さんは短説は書きませんでしたし積極的に参加したわけではありませんが、昔からの芦原さんとの関係から『短説』の機関紙にも少し関わっていました。
 私はもちろんこの小説に魅せられたことが第一ですが、面識は全くないのですが、少し近しい文学的機縁にいたことから、知り合いに対するような敬愛の念を、一方的に持っていました。
 私がホームページを始めた2002年とほぼ同じ頃に、四城亜儀さんもホームページを始め、その頃一回だけ個人的な交流もありました。その後、彼女(彼は実は彼ではなく、彼女なのでした)のサイトは、メインのホームページを中心にいくつものブログ(それぞれのテーマ別にブログが立ち上がっている)で構成された壮大な構想のサイトになっています。相当につぶさに閲覧している私でも全貌はとても読み切れていません。
 それで時々訪問していたわけですが、実は数年前から、もう末期の癌であることが告白されていました。2014年頃から入院、手術が繰り返され、2015年には相当悪化していたようです。それでもブログが更新されていました。しかし2016年4月以降、ブログも更新されなくなりました。
 そしていくつもあるブログの一つ『TEL QUEL JAPON』の2018/03/17(土) 21:32:56の記事のタイトルに「利用してください」とあり、「このサイトの主は他界しましたが、サイトの価値は永遠です。」とありました。
 四城亜儀さんについてはまた別に語りたいと思います。今はただただ故人の
ご冥福をお祈りするばかりです。――合掌

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2018年1月18日 (木)

三一書房版『戦後詩大系』全四巻を手に入れる(その二)

 さて、肝心の内容であるが、Ⅰの巻頭には、編者代表として嶋岡晨氏の「道標(みちしるべ)」と題された文があり、編集の経緯や意図、方針、凡例などが記されている。それを読んだだけでもエポックメイキングであったことがわかる。
 詩人は五十音順に配列されている。各人の分量はほぼ均等である。
 Ⅰは「ア~オ」五二名。五八一頁。
 Ⅱは「カ~ス」六九名。六二五頁。
 Ⅲは「ス~ハ」六五名。六二四頁。
 Ⅳは「ハ~ワ」五五名。六五六頁。
 合計二四一名。
 Ⅳの巻末には、
○大野順一氏の「戦後詩史序説」(副題・ひとつの思想史的あとづけの試み)と、
○嶋岡晨氏の「戦後詩の展望」(副題――詩壇略地図――)の、
それだけで相当読み応えのある二つの論考があり、これまた例によって大変な労作の、
○小川和佑編「戦後詩史年表」
がある。この年表は凡例を含めて六〇一頁から六五六頁まで及ぶ。そして最後に、
○大野順一氏作成の「戦後の主要詩誌の消長(一九四五~一九六五)」
が折り畳まれている。ここには四一の詩誌の発行年月が棒グラフで示されていて、非常にわかりやすく展望できる。年表やこうした一覧表は、作ってみればわからが、物凄い労力を必要とする。本当に大変な労作なのだ。
 もう一つ私にとって貴重だったのは、各巻に付録としてついていた月報である。私が以前から持っていた第一巻には月報が抜け落ちていた。
 
 月報1(1970・9)
○宗左近「戦後詩とわたし」
○嶋岡晨「夢の周辺」
 
 月報2(1970・11)
○新川和江「戦後詩と私」
○《同人詩誌の編集後記》
(「詩研究」「純粋詩」「FOU」より)
○S・S生「詩神と酒神の棲む所」
○詩友こぼれ話
(①村松定孝 ②「マチネ・ポエティック」 ③「ゆうとぴあ」、秋谷豊)
 
 月報3(1970・12)
○土橋治重「戦後詩とわたし」
○《同人詩誌の編集後記》(その二)
(「荒地」「列島」より)
○小川和佑「『地球』への回想」
○《編集者の言葉と略歴》
(大野順一〈筆名大野純〉・嶋岡晨)
 
 月報4(1971・1)
○片岡文雄「わが薄明の時代」
○小川和佑「『年表』作製の憂鬱」
○嶋岡晨「編集を終えて」
○『戦後詩大系』第二巻訂正表
 
 なかでも私にとって今回最大の堀大物は、小川和佑先生の「『地球』への回想」である。『小川のせせらぎ』第二号ではそのままコピーして転載しようと思う。
 それにしても、月報には三人の編集者の近影が載っているのだが、みな若々しい。それもそのはずだ。この時、三人ともまだ四十歳になるかならないかぐらいだったのである。あらためて、よくぞここまでの仕事ができたものであると感嘆する。いや、若いからこそできたのか。
 因みに生年月日を記せば、
小川和佑・昭和五年(一九三〇)四月二九日
大野順一(純)・昭和五年九月三日
嶋岡晨・昭和七年(一九三二)三月八日

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2018年1月14日 (日)

三一書房版『戦後詩大系』全四巻を手に入れる

 伝説の書籍と言っていい三一書房版の『戦後詩大系』全四巻を揃いで手に入れた。しかも、総革張りの限定300部特装版である。それを破格の安値で手に入れた。いくらかというのは、もしかしたら売主が後悔するかもしれないのでここでは伏せるが、まあ、今まで長い間売れずにいたわけだから、安値でも売れた方がいいのかもしれないが。
 第一巻は持っていた。いつだったかは忘れたが、おそらく1990年前後に、滅多に行くことのない渋谷の古書センターで偶然見つけたのだ。結構な高値で買ったような記憶がある。5800円だったか3700円ぐらいだったか。ともかく、第一巻はどうしても手に入れたかった書籍である。
 それから28年、発行からは実に48年、今回、四巻揃いでそれよりはるかに安い金額(送料込みでも)だったので、古書店によっては一冊ずつ買えるところもあったのだが、四冊揃えで購入した。実は、説明書きに「特装版」とあったのだが、あまりにも安いので、これは勘違いではないのかと疑っていた。(ネット販売だが、写真はなし)。しかし並装版でも、普通に見れば上製本なので、それでも良いと思っていた。ところが、本当に特装版だったのである。

 編者は、嶋岡晨・大野順一・小川和佑の三人。三人とも大学の先輩である。
Ⅰ ア~オ:1970年09月30日発行(限定番号300部の内 第158番)
Ⅱ カース:1970年11月30日発行(同 第165番)
Ⅲ ス~ハ:1970年12月31日発行(同 第164番)
Ⅳ ハーワ:1971年02月15日発行(同 第168番)
 本体菊判、ワインレッド色総革張り、白色クロース装貼函入り。函も並装版とは異なる。小川和佑先生のお宅で見ていたものだ。各巻平均580頁。

 何よりも嬉しいのは、月報も揃っていることである。ほかに三一書房の新刊案内や読者アンケートのはがきまで付いている。ないのは、おそらく巻かれていたであろうパラフィン紙ぐらいである。
 とすると、つい先日手に入れた『“美しい村”を求めて 新・軽井沢文学散歩』や『文明開化の詩』などのように、結局のところ読者の手に渡らなかったか、あるいは買われたけど読まれた形跡のない、本としては悲しい末路のいわゆる新古本かというと、どうもそうではないようだ。ぱっと見たところ本に書き込みなどはないのだが、月報の一箇所に赤鉛筆で括弧印がついている。本も開かれた形跡がある。が、月報なども綺麗に揃っていて、誰かが大切に保管していた本だということがわかる。
 この大冊の『戦後詩大系』は、並装版でも各巻3,000円なのであるが、特装版は全巻揃いの予約販売のみで各巻8,000円、合計32,000円もするのである。内容を考えると、決して高くはないのだが、それにしてもこれは1970年、昭和45年のことなのである。当時相当高価であったLPレコードでも1,700円か1,800円ぐらいの頃である。
 おそらく、この特装版を買ったのは、とりもなおさずここに収録されている詩人たちであろう。一般読者が買うとは思えない。並装版だって、実のところ関係者と図書館ぐらいだけだったかもしれない。そもそも詩集なんかみんな持ち出しで出すものであるから、収録されているからといって著者には一冊も献呈されていないだろう。あるいは自分が載っている巻だけはさずがに献呈されたかもしれないが、むしろ特装版を四巻揃いで買ってくれということだろう。限定300部というのは、すなわち全収録詩人230名あまりというわけだろう。
 ということは、このたび私が手に入れた本も、ここに収録されている詩人のものだった可能性が大なのではないか。本を開けられた形跡はある。しかしこの綺麗な保存状態は、著者の一人だからではないのか。もしそうなら、この本を売ることはないだろう。しかし本人ではなく、遺族なら、知らずに(あるいは知っていても)古本屋に処分することもあるだろう。
 本の匂いがたまらなくいいのだ。もう泣けてくるほどだ。何かパンドラの匣を開けてしまったような気がする。(肝心の内容についてはまたのちほど)

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2017年10月14日 (土)

日本ペンクラブの電子文藝館

 小川和佑先生の『三島由紀夫―反『日本浪曼派』論』(昭和60年4月・林道舎刊)の解題を書くため調べていて、1984年5月の国際ペン東京大会について調べる必要が生じ、日本ペンクラブのホームページを見ていたら、同クラブが主宰する「電子文藝館」というのに行きつきました。
 その存在は以前から知っていましたが、しばらく訪れていなかったら、立ち上げから間もなく16年を迎え相当に充実してきていました。「青空文庫」とはまた趣旨が異なるのですが、ペンクラブ会員の作品を中心に良質な文藝作品が電子版で読めます。ちょっと宣伝。

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2017年4月29日 (土)

小川和佑先生ご生誕87年記念日

 本日はもちろん昭和天皇のご生誕記念日である「昭和の日」ですが、わが師・小川和佑先生のお誕生日でもあります。ご存命なら満87歳の誕生日。
 一年前、明治大学のゼミOB会で「偲ぶ会」を開催しました。命日の9月20日は、必ずしも休日ではないので、祝日で暦の上では必ず休みになるこの日に、駿河台のどこかでまたみなで会おうと思っていましたが、遺憾ながら実現できませんでした。
 しかし、その代わりといっては何ですが、七か月ぶりに、『小川和佑先生著書目録』を更新しました。昭和57年4月にTBSブリタニカから出た『ジュニア版 目でみる日本の詩歌⑪ 現代の詩[一]』です。その翌年私は大学に入学して、小川先生に出会った最初の授業で使っていたテキストです。「解題」に書いた通り、非常に懐かしい思い出深い一冊です。

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2016年1月 5日 (火)

佐伯彰一さんがご逝去

 文芸評論家の佐伯彰一さんがお亡くなりになったというニュースが入ってきた。そうだ、まだこの人がいたのであった。だが、それも……。
「この1日午後1時48分、肺炎のため東京都目黒区の病院で死去した。93歳だった」とのこと。
 先月、野坂昭如さんも亡くなった。野坂氏は小川和佑先生と同年であった。これで本当に戦後文学を作ってきた人たちがみな鬼籍に入ったことになる。
 佐伯彰一さんに関しては、三島由紀夫研究の第一人者ということだけでなく、個人的に思い出がある。『日本文芸鑑賞事典』の第20巻(昭和63年6月・ぎょうせい刊)の、佐伯彰一氏の長編評論『日本の「私」を索めて』の鑑賞文を担当したのだった。当時まだ学部の大学生で、研究者でもなければ大学院生でもない私がよくも書かせてもらったものである。
 謹んでご冥福をお祈り申し上げます。 ――合掌

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